自律神経の不調が原因でおきる症状です。改善にはカイロプラクティックによるアプローチも有効です。

2023年1月からインスタグラムで自律神経失調症のためのシリーズ連載を開始しました
ぜひ、そちらもご覧ください

症状

代表的な症状は

  • 精神的
    鬱・不安・苛立ち
    不眠・パニック障害
  • 歯科的
    顎関節症・舌癖
    くいしばり・歯ぎしり
  • 全身症状
    倦怠感・起立障害
    気象病(お天気病)
  • 内科的
    嘔吐・胃痛・便秘・下痢
    動悸・眩暈・過呼吸・頭痛
    (更年期障害)
  • 整形外科的
    腰痛

★これらの症状は自律神経失調症によるものとは限りませんので、まずは医療機関を受診してください。

自律神経

脳からの指令を内臓に伝え、生命活動を維持しています。交感神経と副交感神経があり、互いにバランスを取り合いながら働いています。車のアクセルとブレーキによく例えられますが、どちらかが休むのではなく、常にどちらも働いています。

  • 交感神経
    車のアクセルに相当します。寝起きから日中などの活動時に優位になります。緊張や興奮でドキドキしたり、汗をかいたり、口が乾いたりするのも交感神経の働きによるものです。
  • 副交感神経
    車のブレーキに相当する働きがあります。リラックスしてくつろいでいるとき、寝ている時は副交感神経が優位になります。
    ウトウトしたり、ぼんやりしているときは副交感神経が優位に働いています。
  • 交感神経と副交感神経が天秤のようにバランスを取り合うことで、心臓の働き、呼吸、代謝、消化吸収、排せつなど、身体を良い状態=健康な状態に保っています。どちらかに少しだけ傾いているのが通常です。
  • 自律神経失調症は交感神経の優位が続き、副交感神経に切り替われずに体調を崩すことが多いようです(車のアクセルが壊れて暴走している状態)。
どっちかに、ちょっとだけ傾く

自律神経の失調

蛇口を閉じずに手洗い中のハリネズミさん。お水があふれるのを気にしないでいられるのは、排水がしっかりしているからです。

水を出しっぱなしですが、大丈夫?

水の量が多すぎたり、排水量が少なかったりすると水があふれて大変です。
この水があふれて大変な状態=自律神経が失調している状態です。

水をストレスとすると
水を受けるボウルは脳
排水が自律神経

仮に大量の水が流入しても、受け止めるボウルも排水口も大きく、排水パイプも太ければ問題ありません。
逆に水が少量であっても、排水や受け止める能力が劣れば、水はあふれてしまいます。

ストレスと自身の処理能力のバランスが悪く、生命の維持システムに混乱を招いている状態が自律神経失調症です。

自律神経失調症にはストレスのコントロール(軽減)と、身体(脳や自律神経)のケア、両方が必要です

ストレスのコントロール

ストレスには大きく分けて4つのタイプがあります。

  • 精神的ストレス
    心配事や不安など
  • 身体的ストレス
    ケガや病気、痛み、痒みなど
  • 化学的ストレス
    薬、化学物質など
  • 環境的ストレス
    温度、湿度、気圧など

これらのストレスへの対処法は

  • ストレッサー(ストレスの原因)から離れる
    (個人的にはこれが最も有効だと思います)
  • 趣味など没頭できる時間をもつ
    (ストレスを忘れる)
  • 規則正しい生活と睡眠を心がける

ストレスのコントロールについては書籍がたくさん出版されております。
私が読んだものでおすすめなのは

  • 自律神経失調症を改善する特効法101 主婦と生活社

少し古い書籍がですが、多方面からのアプローチが書かれており、そのほとんどが今現在も有効とされていることです。

趣味など、気分転換も有効です

★「あれもこれも」と思うと、それがストレスになってしまいます。ご自身に合い、簡単にできて継続できそうなものから試されるとよいでしょう。ストレスをコントロールするということは、健康を維持するということなので、基本的には身体に悪影響を及ぼすようなものはありません。

身体のケア

水を受ける洗面ボウルや排水システムの能力は生まれつきのものです。これは優劣ではなく、体質です。ですがどんなに大きな器でも、ひび割れや穴があったり、排水管が詰まっていれば水はすぐにこぼれてしまいます。むしろ小さな器でも、しっかりメンテナンスされていれば、常に最大の排出量を確保できます。

カイロプラクティックでは「ボウルと排水管のメンテナンス」に大きな効果を発揮します。

身体のどこか一部であってもバランスを失うと、それを補うために不自然な動きをするようになります。すると筋肉に偏りが生じ、やがて関節の可動域が制限されて歪みを生み出していきます。歪みは筋肉や関節だけでなく、内臓や神経のネットワークにも影響を及ぼします。特に背骨(特に胸椎)の動きが悪かったり、側彎症のようにゆがみがあると、自律神経に影響を与えることがあります。

この状態が洗面ボウルにひび割れが生じたり、排水口や排水管に詰まりがある状態です。
脳からの指示が正常に発せられたとしても(ストレス量が過大ではない状態)、伝達する神経や、受け取る各器官に正しく伝わらなくなってしまうのです。

矯正や身体全体のバランスを整えてゆがみをとることで、ストレスを正しく処理できる状態に戻します。

★身体はセルフメンテナンスから始めてみましょう。

  • 適度な運動と筋力の維持
    (正しい姿勢や歩き方にもつながります)
  • 規則正しい生活
  • バランスの良い食事

日常できる簡単なことから始めてみましょう。
それでも治らない歪みやバランスは専門家に見てもらってください。
自律神経失調症は免疫力の低下なども引き起こします。放置せず、改善に向けて対応してください。

エネルギー治療

整形外科などで行われる電気治療は、電気を体内に流すことで、筋肉の修復を促すなどの治療を行うもので、エネルギー治療の代表格です。

生物は電気を始め、エネルギーにあふれています。
筋肉を動かしたり、神経の伝達に使われる電気。体温の熱エネルギー。音エネルギー。
これらのエネルギーが乱れていると、体調不良を起こします。逆にこの乱れを正してあげると改善することがあります。

身体のバランスを整える際に、エネルギーの乱れもチェックし、可能な限り調整するようにしております。

私見

ストレスコントロールと身体のケアにより早期の自律神経失調症はかなり改善できるでしょう、しかし、長期間にわたるものは簡単には改善できないと思っています。なぜなら私自身が幼少期に診断されてから50年ほど、ずっと悩み続けているからです。

自律神経失調症の最大の敵は「ストレス」

ストレスをコントロールするにはストレッサーが何かを正しく認識する必要があります。長期にわたり症状が改善しない場合は、ストレッサーを正しく認識できていない可能性が高いです。

ストレッサーは一つとは限らないし、「嫌なこと」ではない場合もあります。

  • 嫌なこと
  • 辛いこと
  • 不安なこと
  • 怒りを感じること
  • 多忙な理由
  • 生活を不規則にさせる理由

などなど、何が自分を苦しめているのか、負担になっているのかを見つけ出さなければなりません。

長期化するほどこじれているのなら、そのストレッサーは自分にとって「認めたくない」もの、「忘れたいもの」の可能性もあります。ですが、根本的な解決のためには必要なことです。

パンドラの箱を開けるように

自律神経失調症の長期化は、ストレッサーをとても見えづらくしているような気がします。時間や感情の揺れが重要なことを覆い隠しているのかもしれません。

ですがストレッサーがわからなければ、真の意味でのストレスコントロールは不可能だと思います。

ストレッサーを見極める。
それは認めたくなくて、蓋をしてきたものをひとつづつ取り出しては確認する作業です。

まるでパンドラの箱を開けたように、次から次へと「嫌なもの」が飛び出てくるかもしれません。
でもパンドラの箱から最後に出てくるのは「希望」なのです。

ストレッサーさえわかれば対処方法や対応の仕方もわかり、心も身体もらくになるはずです。

私自身、最大のストレッサーを見つけ出すのに20年ほどかかりました。

ブログ「自律神経失調症と私」に私が行った、ストレッサーを探す方法を掲載しております。
症状と病歴一覧を作り、そのころ何が起きたか、自分はどう思っていたか、などを書き加えるのです。

それを把握することが、ストレッサーを見つける第一歩になります。ストレスの原因をよく探り、対処法を考えてください。そして同時に身体のメンテナンスも行ってください。どちらかが欠けても、決して良くはならないと思います