肘の痛み:外側上顆炎(テニス肘)
肘の外側の痛みです。
初期では物を持ち上げたり、雑巾絞りや、ペットボトルの蓋を開けるなど主に手首を使う動作で痛みます。悪化したり慢性化してくると、安静時にも痛みを感じるようになります。
テニスの愛好家に発症例が多いため「テニス肘」と言われますが、テニスの経験の有無に限らず発症します。
原因
上腕骨外側上顆(肘の外側)部分に付着する3つの筋肉の炎症が痛みの原因です。
この筋肉は手首や指の曲げ伸ばしに使う筋肉です。物を握ったり、手首を使用することの多いスポーツや職業の方に多く発症します。「肘の使い過ぎ」と思われる方が多いのですが、実際には指や手首の使い過ぎによるものです。安静にして炎症が治まれば痛みは引きますが、スポーツなど同じ動作や負荷がかかる動きを繰り返すと再発します。
発症リスクを高める要因として
- 加齢にともなう筋肉の劣化
- オーバーワーク
- 手から肘、肘から肩、そして身体全体の連動性が悪い
- スポーツ由来の場合は道具との相性やフォーム
施術
肘や手首の動きはもちろんですが、下半身が安定しているかを確認します。足を踏ん張ることができなかったり不安定だと、身体の連動性が悪い上、バランスをとるために腕を使います。そのため、必要以上に腕の各関節に負荷がかかり、筋肉を傷めてしまいます。
- 足の3つのアーチが正常で、重力を十分に吸収する能力を維持しているか
- 足の指が使えているか
- 膝に捻じれやズレが生じていないか
- 筋肉の着き方、力に偏りがないか
これらをチェックし足・膝関節・股関節が正しく機能し、連動するようにします。
そして
- 肩関節の位置
前側に巻き込んでいないか(立った時に手が身体の前にきたり、手の甲側がみえる)
後側に開いていないか(立った時に手が身体から離れる) - 肘が曲がっていないか、捻じれていないか
- 手首がしっかり動くか
- 指が捻じれいていないか、変形していないか
手首の可動性を失っていると、痛みはなくても握力の低下や、指の変形がみられることもあります。痛みを感じる肘だけでなく身体全体を通して、バランスを整えることが重要です。
予防とメンテナンス
スポーツや仕事などで腕を酷使した後は、しっかりアイシングとクールダウンを行い、炎症を起させない、長引かせないことが必要です。またテニスやバドミントンなど、スポーツ由来の場合はラケットなどの道具やフォームの見直しも必要です。しかし何よりも重要なのは身体の使い方を見直し、不必要に手首に負荷をかけないことです。