子育て・仕事・人間関係 ツライときは食事を変えよう

溝口徹 著

このページにたどり着いた方なら「医食同源」とか「自分の身体は自分が食べたものでできている」ということを耳にしたことがあるのではないでしょうか?あるいはもっと積極的に自分の健康と食べ物について調べていらっしゃるかもしれません。

私がこの本にたどり着いたのは、スクワットチャレンジがきっかけです。
日を追うごとにスクワットの負荷を増やすことも、回数を増やすこともできましたが、筋肉がついた実感が得られませんでした。身体が単にスクワットという運動に慣れただけで、期待していたような下半身の筋力強化にはつながらなかったのです。(身体は習慣的な運動にはそれを行う程度の筋肉をつけてはくれます。ウォーキングを日課にされている方が「歩くのは平気だけど階段はつらい」とおっしゃるのは歩くことには身体が順応しているけど、階段には順応していないということです)

  • 学生時代に体育会系の部活でかなりハードな筋トレを行っていたのに、自分だけいつまでもフニャフニャしている
  • トレーニングジムに週に数回は通ったのに、全然身体が締まらない

そんなことがあったので筋肉がつきづらい体質なのだとは思っていましたが、このままでは老化の坂を転がり落ちるだけ。もしも筋肉がつきづらいのが体質なら改善すればよい。ということでいろいろ調べた結果、オーソモレキュラーという栄養学にたどり着きました。

オーソモレキュラーとは一言でいえば「オーダーメイドの栄養学」です。薬に頼らず各個人に最適な栄養素を摂取することで健康な身体を作るという考え方です。「各個人に最適」というのは「その人に必要な栄養を必要な量」摂るということです。

例えば、ビタミンCの一日の摂取目安は15歳以上で100㎎(2015年版食事摂取基準)とありますが、それ以上に必要な方もいれば、それ以下でも十分な方がいるのです。誰もが100mg取っていれば良いということではありません。

オーソモレキュラーでは血液検査により、これらの栄養素と量を細かく診断し、食事内容の改善と食餌だけでは補えない分をサプリで補給するのです。通常の健診の血液検査ではわからない栄養不足がオーソモレキュラーにおける検査ではわかるそうです。

この本は初心者向けの「オーソモレキュラー」解説本です。
各章ごとに漫画があり、そのあと文章で補足するという構成になっているので難しいカタカナも栄養素も頭に入りやすいです。特に重要な栄養素としてタンパク質、ビタミンB群、亜鉛、鉄をあげていますが、それぞれになぜ必要なのか、とてもわかりやすく書かれています。またそれ以外の摂るべき栄養素や摂取を控えるべき栄養素についても書かれています。

さらには簡単なレシピの紹介、花粉症、うつ、不妊症などについても栄養がどのようにかかわっていてどのように改善できるかなどが書かれています。

健康診断では問題ないのに、何かしらの不調がある方が食生活について見直すための最初の入り口として読むには最適な本だと思います。この本を読んで、より深く知りたければ他の本を読まれても良いと思いますし、オーソモレキュラーを行っている病院にかかるのも良いと思います。オーソモレキュラーの公式ホームページでは各種書籍やセミナーの案内、病院の紹介などもしているので詳細はそちらをご覧ください